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京都大学 研究Discovery Saga
2025年8月24日

若い大質量星を育てる巨大なガス流

―フィードバック問題の解決に新たな手がかり―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学工学
【Sagaキーワード】
干渉計/原始星/星間塵/星形成/星形成領域/大質量星/電波干渉計/分子雲/ストリーマ/高速道路/シナリオ/フィードバック
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

フェルナンド・オルギン 基礎物理学研究所特任助教(兼:国立天文台特任助教)、大屋瑶子 同講師およびパトリシオ・サンウェサ 東京大学准教授らの研究グループは、大型電波干渉計アルマ(ALMA)を用いた電波観測実験を行い、細長く伸びる構造に沿ったガス流(ストリーマ)が、生まれて間もない大質量星の成長を助ける様子を捉えました。このストリーマは、原始星の母体である分子雲コアがもつ物質を、コアの中心部にある原始星近傍の高密度領域まで、直接送り届ける高速道路のような役割を果たしていると考えられます。通常の星形成のシナリオでは、大質量星からのフィードバックと呼ばれる効果によって、星を成長させるための材料となるガスの流入が妨げられるため、現在見つかっているような大きな質量を持つ星を作ることができないという問題が認識されてきました。この研究の成果は、フィードバック問題を解決する機構として、ストリーマがガスの運搬機能を実際に果たしている様子を初めて捉えたものであり、大質量星の形成シナリオの解明に大きく近づく重要な成果といえます。
 本研究成果は、2025年8月20日に、国際学術誌「Science Advances」に掲載されました。


大質量星形成領域 G336.018-00.82における、星間塵から放射される電波の強度分布。星型のマークは原始星の位置を示す。赤と青の矢印に沿って、ガスが回転しながら落下している。青の矢印が示すガス流(ストリーマ)は、分子雲コアから原始星近傍の高密度領域まで、物質を輸送する役割を担う。(credit: Fernando Olguin)
研究者のコメント 「この研究では、観測した30個の天体から、目を引くサンプルを選び出して詳細に解析しました。この天体は以前にも低解像度で観測しましたが、大質量原始星に伴う円盤構造の典型的な半径を考慮して、円盤やトーラス状の構造が形成されていると考えていました。この研究の結果、これまでの予想に反して、円盤構造は存在しないか、極めて小さいことが判明しました。渦状腕構造が、中心の原始星に非常に近い位置にまで達していることは予想外でした。」(フェルナンド・オルギン)

詳しい研究内容について

若い大質量星を育てる巨大なガス流―フィードバック問題の解決に新たな手がかり―

研究者情報

研究者名 OLGUIN CHOUPAY Fernando Andres
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 大屋 瑶子
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1126/sciadv.adw4512
【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/296288
【書誌情報】
Fernando A. Olguin, Patricio Sanhueza, Adam Ginsburg, Huei- Ru Vivien Chen, Kei E. I. Tanaka, Xing Lu, Kaho Morii, Fumitaka Nakamura, Shanghuo Li, Yu Cheng, Qizhou Zhang, Qiuyi Luo, Yoko Oya, Takeshi Sakai, Masao Saito, Andrés E. Guzmán (2025). Massive extended streamers feed high-mass young stars.Science Advances, 11, 34, eadw4512 .

関連部局

基礎物理学研究所