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筑波大学 研究Discovery Saga
2025年8月19日

わずか3個のニューロンが睡眠中に記憶を固定化させる

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
工学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
持続可能/持続可能な開発/ニューロン/アルツハイマー病/イミン/マウス/海馬/睡眠/脳波
医療・健康


(Image by peterschreiber.media/Shutterstock)

概要

大人の脳ではごく少数のニューロンしか生まれ変わりません。そのうちのわずか3個が、レム睡眠中に、記憶の定着に重要な働きをすることを明らかにしました。また、その過程において、脳内にある他の細胞とシンクロして活動することが重要であることを、世界ではじめて示しました。
 本研究は、「なぜ睡眠中に記憶が定着するのか?」という問いに対し、脳内で実際に何が起きているのかを明らかにしたものです。特に注目したのは、記憶形成に関わる海馬に存在し、大人になってからも生まれる「新生ニューロン」です。これらはアルツハイマー病で著しく減少することからも、記憶との深い関係が示唆されてきましたが、その具体的な仕組みは不明でした。
 本研究では、恐怖体験を学習したマウスを用いて、新生ニューロンの活動を可視化し、夢を見るとされるレム睡眠中にその活動が再現されるかを調べました。その結果、平均2.4個の新生ニューロンが学習時と同様のパターンで再び活動していることが確認され、この活動を人為的に止めると、マウスは記憶を思い出すことが困難になることが明らかになりました。
 さらに、記憶が定着するためには、レム睡眠中に海馬で流れる「シータ波」と呼ばれる脳波の特定のタイミングに合わせて活動が起こる必要があることも示されました。まるで波に乗るかのように、適切なリズムの中で活動することが、記憶の定着に重要であると考えられます。これは、睡眠中の脳がどのように記憶を整理しているかを示す画期的な発見です。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波⼤学 医学医療系/筑波大学高等研究院(TIAR)国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)
坂口 昌徳 准教授

掲載論文

【題名】
Transient reactivation of small ensembles of adult-born neurons during REM sleep supports memory consolidation in mice
(レム睡眠中の少数の成体新生ニューロン集団の一過性再活性化がマウスの記憶固定を支える)
【掲載誌】
Nature Communications
【DOI】
10.1038/s41467-025-62554-8

関連リンク

医学医療系
国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)