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科学技術振興機構 研究Discovery Saga
2025年8月7日

細胞の情報伝達を制御する足場脂質

~アレスチンと膜脂質の協調作用による受容体の細胞内取り込み機構~

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
工学総合生物農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
センサー/たんぱく/機能性/リン酸/膜脂質/細胞膜/分子機構/GPCR/細胞内情報伝達/受容体/創薬/脂質



2025(令和7)年8月6日
東北大学
京都大学
科学技術振興機構(JST)

発表のポイント


細胞表面の受容体の取り込みを担うアレスチンが機能性膜脂質ホスファチジルイノシトール4,5-2リン酸(PIP 2 )と結合する新たな部位を見いだしました。
アレスチンとPIP 2 の結合により、細胞膜の微小領域が形成され、ここに受容体を局在させることにより、効率的に細胞内へ受容体を取り込む機構を解明しました。
この成果は、PIP 2 とアレスチンの結合を標的とすることで、過剰な細胞内情報伝達が原因となる疾患に対する新たな創薬戦略につながることが期待されます。

細胞はGたんぱく質共役型受容体(GPCR)と呼ばれる細胞表面のセンサーたんぱく質を用いて、外界からの情報分子を細胞内に伝えます。この情報伝達の効率を調節する重要な仕組みの1つに、GPCRの細胞内への取り込み(内在化)による情報伝達の収束があり、アレスチンというたんぱく質がその役割を担います。アレスチンがGPCRと結合する際に、機能性膜脂質であるPIP 2 が関わることが報告されていますが、その詳細な分子機構は不明な点が多く残されていました。
東北大学 大学院薬学研究科の倉本 律輝 大学院生、井上 飛鳥 教授(京都大学 大学院薬学研究科 教授を兼務)らの研究グループは、アレスチンがPIP 2 と結合する新たな部位を見いだし、この結合によってGPCRをPIP 2 が多く含まれる細胞膜の微小領域に集積させることで、GPCRの内在化を促進させることを明らかにしました。本研究の知見は特定のたんぱく質と膜脂質を標的とした創薬の新たな可能性を提唱します。
本研究成果は、2025年8月6日付け(日本時間)で科学誌「Nature Chemical Biology」に掲載されました。
本研究は、日本学術振興会(JP21H04791、JP21H05113、JP24K21281、JPJSBP120213501、JPJSBP120218801、JP24K01982、JP24H01266)、科学技術振興機構(JST) 創発的研究支援事業(JPMJFR215T)、同 ムーンショット型研究開発事業(JPMJMS2023)、同 戦略的創造研究推進事業 さきがけ(JPMJPR20EF)、同 未来社会創造事業(JPMJMI22H5)、同 次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)(JPMJSP2114)、日本医療研究開発機構(JP22ama121038、JP22zf0127007)、武田科学振興財団、上原記念生命科学財団などの支援を受けて実施されました。

<プレスリリース資料>


本文  PDF(981KB)

<論文タイトル>

“Membrane-domain compartmentalization of active GPCRs by β-arrestins through PtdIns(4,5)P 2 binding”
DOI: 10.1038/s41589-025-01967-4

問い合わせ先


<JST事業に関すること>


加藤 豪(カトウ ゴウ)
科学技術振興機構 創発的研究推進部
〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
Tel:03-5214-7276 Fax:03-6268-9413
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<報道担当>


東北大学 大学院薬学研究科 総務係
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Tel:075-753-5729
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〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
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