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東北大学 研究Discovery Saga
2025年8月2日

二次元ファンデルワールス酸化物の合成に成功

-強相関酸化物と二次元物質の両方の特徴を併せ持つ新材料-

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学総合理工工学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
グラファイト/二次元物質/物質科学/強相関/ファンデルワールス力/電子デバイス/半導体材料/持続可能/持続可能な開発/グラフェン/リチウム/金属酸化物/黒鉛/酸化物/半導体/酸化反応
2025年8月 1日 14:00

研究者情報

〇多元物質科学研究所 教授 組頭広志
研究室ウェブサイト

発表のポイント

強相関酸化物と二次元物質の性質が共存するファンデルワールス酸化物2H-NbO2を世界で初めて合成。
ナノ薄膜の高温強酸化反応により、三次元性が強い層状金属酸化物を二次元的なファンデルワールス物質へと転換。
強相関酸化物と二次元物質の両方の特徴を持つ次世代電子材料やデバイスの開発に期待。

発表概要

東京科学大学(Science Tokyo) 物質理工学院 応用化学系の佐藤礼大学院生(研究当時)、相馬拓人助教、吉松公平准教授と大友明教授らの研究チームは、東北大学 多元物質科学研究所の組頭広志教授と共同で、ファンデルワールス酸化物2H-NbO2の合成に世界で初めて成功しました。
ファンデルワールス物質(用語1)は、二次元層が積み重なった構造を持つ物質の総称であり、次世代の半導体材料として期待される二次元物質(用語2)のもとになる物質群です。一方、金属酸化物は強相関物質(用語3)と呼ばれ、次世代の電子デバイスの材料として期待されています。しかしながら、金属酸化物は一般にファンデルワールス物質とならず、これまでこの二つの領域は別個に考えられていました。
今回の研究では、層状構造を持つ金属酸化物LiNbO2からリチウム(Li)を引き抜く化学反応を利用することで、二次元的なファンデルワールス物質の特徴を持つ2H-NbO2の合成に初めて成功しました。この合成にあたっては、新たに開発したナノ薄膜に対する高温強酸化反応を用いれば、Liを引き抜く反応が進行することが明らかになりました。この成果により、今後は二次元物質と強相関物質の両方の特徴を持つ新しい材料やデバイスの開発が期待されます。
本成果は、7月18日付(米国東部時間)にアメリカ化学会が発行する「ACS Nano」誌に掲載されました。



本研究のイメージ図

用語解説

(1)ファンデルワールス物質:分子間力の一種である弱いファンデルワールス力で分子が凝集した物質の総称。代表例はグラファイト(黒鉛)。
(2)二次元物質:原子レベルの厚さしか持たない物質の総称。代表例はグラフェン。
(3)強相関物質:各々が自由に振舞う電子ではなく、互いに強く相互作用し合う電子を有する物質の総称。局在性の強い酸化物が主に示す特性である。

論文情報

掲載誌:ACS Nano
論文タイトル: Strongly Correlated van der Waals Oxide: 2H-NbO2
著者:Aya Sato, Takuto Soma, Hiroshi Kumigashira, Kohei Yoshimatsu, Akira Ohtomo
DOI:10.1021/acsnano.5c05513

詳細(プレスリリース本文)

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学多元物質科学研究所
教授 組頭 広志(くみがしら ひろし)
電話:022-217-5802
E-mail:kumigashira*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学 多元物質科学研究所 広報情報室
電話: 022-217-5198
E-mail:press.tagen*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)






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