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筑波大学 研究Discovery Saga
2025年7月30日

PTSD患者のエクスポージャー療法を支援する自然言語インタラクションによる聴覚VR生成システムを開発

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学工学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
インタラクション/言語モデル/自然言語/持続可能/持続可能な開発/シナリオ/聴覚/外傷/PTSD/ストレス/トラウマ/精神障害
医療・健康


(Velem - stock.adobe.com)

概要

自然言語インタラクションにより聴覚VRを生成するシステムを開発し、PTSD患者へのエクスポージャー療法への応用可能性を検証しました。臨床専門家の評価で、専門知識がなくても短時間で高品質な音響シナリオを作成でき、治療に十分な有効性と実用性があることが確認されました。
 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、事故や災害、暴力などによる強いトラウマ体験が原因で起こる精神障害です。その治療法の一つがエクスポージャー療法で、高い効果があることが科学的に示されています。このエクスポージャー療法では、患者が恐怖の対象となる状況に段階的に触れていくことで、不安や回避反応を和らげていきます。
 しかし、患者一人ひとりのトラウマに対応した再現環境の準備には手間がかかります。近年では仮想現実(VR)を用いたエクスポージャー療法も試みられていますが、患者ごとにVRをカスタマイズするにも時間と労力がかかることが課題となっていました。
 本研究では、この問題に対処するため、大規模言語モデル(LLM)と音響データセットを活用し、自然言語入力からトラウマの音響を体験できる聴覚VRを自動生成するシステムを提案しました。ユーザーが言葉でテーマを入力するだけで、それに合った音素材やシナリオが自動で生成されます。
 臨床経験のある専門家にこのシステムを評価してもらったところ、使いやすくて音の品質も高く、治療現場でも最小限の修正で使用できることが確認されました。特に、実験では、一つの音響VRの作成にかかった平均時間は約5分(最短50秒)と、診療現場での活用を想定しても実用的な水準であることが示されました。
 今後は、同時に複数の音を扱うような複雑なシーンにおける精度や制御を改善し、実用化に向けてさらなる検証を進めていきます。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学システム情報系
善甫 啓一 准教授

掲載論文

【題名】
Development and Evaluation of an Auditory VR Generative System via Natural Language Interaction to Aid Exposure Therapy for PTSD Patients
(PTSD患者のエクスポージャー療法を支援する自然言語インタラクションによる聴覚VR生成システムの開発と評価)
【掲載誌】
ACM Transactions on Computing for Healthcare
【DOI】
10.1145/3723048

関連リンク

システム情報系