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東北大学 研究Discovery Saga
2025年7月22日

植物ホルモンの"原料"の新機能を発見!

― 植物の環境ストレス耐性を高める鍵となる中間物質の「第2の顔」 ―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
環境学工学総合生物農学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
化学物質/持続可能/持続可能な開発/生体内/植物ホルモン/環境ストレス/ジャスモン酸/ストレス耐性/耐塩性/ホルモン/生理機能/ストレス応答/代謝物/ストレス/遺伝子
2025年7月22日 11:00

研究者情報

〇大学院理学研究科 化学専攻
教授 上田 実(うえだ みのる)
研究室ウェブサイト

発表のポイント

植物の耐塩性や低温耐性に関与する遺伝子の発現を活性化する新たな化学シグナル(注1を同定しました。
「植物ホルモンが作られる途中の分子が、ホルモン本体とは別の重要な役割を担っている」という、従来の常識を覆す発見をしました。
この仕組みを応用することで、寒さや塩害に強い作物の開発など、持続可能な農業技術の発展につながることが期待されます。

発表概要

ジャスモン酸類は、植物が寒さや害虫といった様々な環境ストレスから自らの体を守る仕組みの中心的な役割を果たしている植物ホルモンです。
東北大学大学院理学研究科・生命科学研究科の上田 実 教授、西里 祐宇保 大学院生、齋藤 里菜 博士(研究当時)らの研究グループは、そのジャスモン酸類が作られる過程で生じる中間物質が、耐塩性や低温耐性など、これまで知られていなかった独自の生理機能を持つことを明らかにしました。
本成果は、植物のストレス応答制御メカニズムの理解を大きく進展させるものであり、将来的には環境ストレスに強い作物の開発など、持続可能な農業技術への応用が期待されます。
本研究成果は、7月21日(英国標準時)に科学誌Nature Communicationsのオンライン版に掲載されました。




図1. 植物ホルモン ジャスモン酸類(JA-Ile)が原料(cis-OPDA)から作られる途中の代謝物が、ホルモン本体とは別の重要な役割を担っている

用語解説

注1. 化学シグナル:植物の生理機能のほとんどは、植物ホルモンを始めとする化学物質で制御されています。これらの化学物質のことを、生体内の信号分子=化学シグナルと呼びます。

論文情報

タイトル: Downstream metabolites of (+)-cis-12-oxo-phytodienoic acid function as noncanonical bioactive jasmonates in Arabidopsis thaliana.
著者: Minoru Ueda*, Rina Saito, Yuho Nishizato#, Tsumugi Kitajima#, and Nobuki Kato
#contributed equally
*責任著者:東北大学大学院理学研究科 教授 上田 実
掲載誌:Nature Communications
DOI:10.1038/s41467-025-61072-x

詳細(プレスリリース本文)

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院理学研究科化学専攻
生命科学研究科 兼担
教授 上田 実(うえだみのる)
電話:022-795-6553
Email:minoru.ueda.d2*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)
<報道に関すること>
東北大学大学院理学研究科
広報・アウトリーチ支援室
電話: 022-795-6708
Email:sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)






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