[Top page] [日刊 研究最前線 知尋] [Discovery Saga総合案内] [大学別アーカイブス] [Discovery Saga会員のご案内] [産学連携のご案内] [会社概要] [お問い合わせ]

京都大学 研究Discovery Saga
2025年6月30日

世界初、量子超越性と暗号の安全性が等価であることを証明

―従来とは異なるアプローチによる量子計算機の優位性を特徴付ける新たな理論的基盤―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学数物系科学
【Sagaキーワード】
タスク/情報セキュリティ/量子計算/暗号理論
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

白川雄貴 基礎物理学研究所博士課程学生、森前智行 同准教授、山川高志 同特任准教授(兼:日本電信電話株式会社(NTT)上席特別研究員)の研究グループは、量子計算機が古典計算機よりも高速であることの必要十分条件を暗号理論の観点から明らかにしました。量子計算機は古典計算機を凌駕する計算能力が期待されていますが、この量子超越性が存在するためには何が必要なのか、その条件はこれまで明確にされていませんでした。本研究は量子超越性と暗号の安全性が等価であることを証明し、量子超越性の必要十分条件に対して初めて明確な解答を与えました。さらに興味深いことに、この成果は、量子超越性が存在しない場合、現在安全とされている暗号機能の多くが破られることも意味します。これは、情報セキュリティ分野にとっても重要な意味を持ち、量子超越性の存在そのものが暗号の基盤と密接に結びついていることを示しています。
 本研究成果は、2025年6月27日に、国際会議「57th Annual ACM Symposium on Theory of Computing (STOC 2025)」にて発表され、国際学術誌「Proceedings of the 57th Annual ACM Symposium on Theory of Computing」にオンライン掲載されました。


本研究では特定のタスクにおける量子超越性(左)の存在を証明するために暗号の安全性(右)を仮定することが必要十分であることを明らかにした。
研究者のコメント 「本研究では、量子超越性の必要十分条件を暗号理論的観点から特徴づけることに成功しました。証明のテクニックは暗号理論的なアイデアと量子計算のアイデアをうまく組み合わせたものであり、個人的には面白い手法を提案できたと思っています。今後は、さらに広範な量子超越性の特徴づけを目指していきたいです。」(白川雄貴)

詳しい研究内容について

世界初、量子超越性と暗号の安全性が等価であることを証明―従来とは異なるアプローチによる量子計算機の優位性を特徴付ける新たな理論的基盤―

研究者情報

研究者名 Yuki Shirakawa ORCID 研究者名 森前 智行
京都大学 教育研究活動データベース
研究者名 Takashi Yamakawa ORCID

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1145/3717823.3718133

【書誌情報】
Tomoyuki Morimae, Yuki Shirakawa, Takashi Yamakawa (2025). Cryptographic Characterization of Quantum Advantage.Proceedings of the 57th Annual ACM Symposium on Theory of Computing, 1863-1874.

関連部局

基礎物理学研究所