[Top page] [日刊 研究最前線 知尋] [Discovery Saga総合案内] [大学別アーカイブス] [Discovery Saga会員のご案内] [産学連携のご案内] [会社概要] [お問い合わせ]

東北大学 研究Discovery Saga
2025年6月30日

太古の海底熱水活動が生命の必須元素リンの供給源だった!?

〜35億年前の熱水変質による海底玄武岩中のリン動態を解明〜

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
環境学数物系科学工学医歯薬学
【Sagaキーワード】
海洋/玄武岩/太古代/熱水活動/水環境/二酸化炭素/RNA/生体分子
2025年6月30日 11:00

研究者情報

〇大学院理学研究科 地学専攻
教授 掛川 武 (かけがわ たけし)
専攻ウェブサイト

発表のポイント

岩石のコア試料の分析から、約35億年前の海底熱水活動により、海底玄武岩からリンが著しく溶脱していることを明らかにしました。
当時の海底熱水活動が海洋へのリンの供給源として重要であった可能性を定量的に示しました。
当時の熱水環境は、DNAなどの生体分子を構成する重要な元素であるリンの濃集場を提供し、初期生命にとって重要な進化の場であった可能性を示しました。

発表概要

リンはDNAやRNAなど生命に不可欠な生体分子を構成する元素です。これまで太古代の海洋ではリンが極度に枯渇していたと考えられており、初期生命がなぜリンを利用し始めたのかは未解明でした。
東北大学大学院理学研究科地学専攻の塚本雄也 大学院生(研究当時)、掛川武 教授の研究グループは、西オーストラリアに産する約35億年前の海底を構成した岩石のコア試料を用い、当時の熱水活動により岩石からリンが著しく溶脱していたことを明らかにしました。さらに溶脱は高濃度の二酸化炭素を含む熱水によることを突き止め、当時の海底熱水活動が海洋への重要なリン供給源であった可能性を定量的に示しました。本成果は、熱水活動が初期生命にとって不可欠な元素の循環に寄与していたことを示し、生命起源と進化に関する研究に重要な情報を提供するものです。
本成果は、2025年6月18日に科学誌Geochimica et Cosmochimica Acraのオンライン版で公開されました。



図1. (A)掘削地点周辺の風景と地質図。(B)本研究で用いたコア試料の層序。(C)コア試料の写真。

論文情報

タイトル:Phosphate behavior during submarine hydrothermal alteration of ca. 3.455 Ga basaltic seafloor rocks from Pilbara, Western Australia
著者:塚本雄也*, 掛川武
*責任著者: 東北大学大学院理学研究科地学専攻 大学院生 塚本雄也
掲載誌:Geochimica et Cosmochimica Acta
DOI:10.1016/j.gca.2025.06.013

詳細(プレスリリース本文)

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院理学研究科地学専攻
教授 掛川 武 (かけがわ たけし)
TEL: 022-795-6600
Email: kakegawa*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院理学研究科
広報・アウトリーチ支援室
TEL: 022-795-6708
Email: sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)