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東京大学 研究Discovery Saga
2025年6月27日

大事な物質を維持するための“隠れた消費抑制機構” 見かけの安定に潜む代謝産物制御メカニズムの解明研究成果

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
農学医歯薬学
【Sagaキーワード】
哺乳類/キチン/オミクス/オミクス解析/脂肪組織/代謝物質/代謝産物/RNAi/ショウジョウバエ/スクリーニング/プロテアソーム/プロテオミクス/ユビキチン/細胞核/生体分子/代謝物/老化



掲載日:2025年6月27日

概要

東京大学大学院薬学系研究科の樫尾宗志朗 助教(研究当時)と三浦正幸 教授(研究当時)は、栄養不足や代謝産物の産生阻害といった厳しい環境下でも、生命維持に不可欠な代謝物質「S-アデノシルメチオニン(SAM)」の量を安定して保つ仕組みを明らかにしました。
 生体分子の変化を網羅的に捉える近年の生命科学において、重要だからこそ安定している「見かけ上変化がない因子」は、見落とされがちです。本研究では、飢餓状態においても安定に存在するSAMに着目しました。ショウジョウバエの脂肪体(哺乳類の肝臓や脂肪組織に相当)を用い、プロテオミクスやRNAiスクリーニングによる解析を行った結果、SAMを消費する酵素グリシンN-メチルトランスフェラーゼ(Gnmt)が、飢餓時に細胞核内のユビキチン・プロテアソームシステム(UPS)で分解されることを発見しました。これによりSAMの過剰消費が抑えられ、代謝の恒常性が維持されていることが分かりました。
 本研究成果は、SAM代謝の生体制御、代謝破綻が関与する老化やがん、栄養障害の理解を深め、新たな治療法の探索基盤となることが期待されます。
リリース文書 (PDFファイル: 734KB)

論文情報

Soshiro Kashio, Masayuki Miura, "S-adenosylmethionine metabolism buffering is regulated by a decrease in glycine N-methyltransferase via the nuclear ubiquitin–proteasome system,"Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS): 2025年6月24日, doi:10.1073/pnas.2417821122.
論文へのリンク (掲載誌

)
医療と健康
オミクス解析
ショウジョウバエ
ユビキチン・プロテアソームシステム
代謝
生命科学

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