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筑波大学 研究Discovery Saga
2025年6月19日

床面への映像投影により神経発達症者の運動時の認知機能を支援できる

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学工学総合生物医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
認知特性/持続可能/持続可能な開発/インタラクティブ/神経発達/運動能力/自閉スペクトラム症/認知機能
テクノロジー・材料


(Image by fotosparrow/Shutterstock)

概要

知的発達症や自閉スペクトラム症などの神経発達症のある児童・生徒が運動する際に、体育館の床全面に児童・生徒のペースに応じた「動くペースメーカー」を投影すると、道順の理解や走るペースが改善できることを見いだしました。これにより、認知特性に応じた運動サポートの新たな可能性を示しました。
 シャトルラン(往復持久走)は、一定の距離を行き来して体力を測るテストで、文部科学省の新体力テストとしても採用され、多くの学校で体力づくりの一環として行われています。しかし、神経発達症(知的発達症や自閉スペクトラム症)のある生徒にとっては、「どこまで走ればいいか」「いつ折り返せばいいか」「自分のペースをどう保つか」などを理解して実行するのが難しく、運動能力でなくその認知機能によってうまく走れないことがあります。
 本研究グループでは、筑波大学附属大塚特別支援学校の体育館において、床に大規模に映像を投影することで、教育支援の可能性を検証する一連の研究(ミライの体育館)を行っています。今回、これを用い、生徒の走るコースやペースを分かりやすく伝える方法論を検討しました。具体的には、一定の速度で床にペースメーカーを投影する単純型と、生徒の位置に追随してペースメーカーを投影するインタラクティブ型の2種類の方法について、効果を検証しました。
 中学生と高校生の生徒24名を対象に、各ペースメーカーを使ったときと使わないときの走り方の違いを比べました。その結果、高校生には単純型が効果的である一方、中学生にはインタラクティブ型の方がよりペースを理解しやすく、シャトルランの成績も向上することが分かりました。
 本研究成果は、神経発達症のある人たちが、より楽しく、安全に、そして達成感を持って運動に取り組めるようにするためには、それぞれの認知特性に適した支援が必要であることを示唆しています。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学サイバニクス研究センター
大木 美加 客員研究員

筑波大学附属大塚特別支援学校
石飛 了一 教諭

掲載論文

【題名】
Supporting wayfinding behavior in shuttle run activities by floor projected pacemakers in a special-needs school gymnasium
(シャトルラン活動での経路誘導行動を支援する床投影型ペースメーカーの活用)
【掲載誌】
International Journal of Child-Computer Interaction
【DOI】
10.1016/j.ijcci.2025.100748

関連リンク

サイバニクス研究センター
筑波大学附属大塚特別支援学校