特定PFASの無害化に向けた共同研究開発を開始
東北大・琉球大・クボタでNEDO先導研究プログラムに採択
【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
リスク管理/産学連携/海洋/クロスオーバー/物質科学/アルキル化/耐熱性/省資源/エネルギー消費/持続可能/省エネ/ボトルネック/マネジメント/持続可能な開発/フッ素/ポリマー/リサイクル/資源循環/省エネルギー/新エネルギー/半導体/スルホン酸
研究成果


<発表のポイント>
東北大学・琉球大学・株式会社クボタの共同研究テーマが「NEDO先導研究プログラム/エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」に採択されました。
難分解・生体蓄積性・毒性が報告されているPFAS(注1)を低濃度かつ短時間で検出する技術を開発します。
PFASを安全かつ効率的に分解し資源循環可能な手法を開発します。
<実施者>
岡 弘樹 准教授(東北大学多元物質科学研究所、研究開発統括責任者)
滝本 大裕 准教授(琉球大学理学部海洋自然科学科)
株式会社 クボタ
<取り組みの詳細>
研究開発の背景
PFASは、耐熱性・耐薬品性・難燃性などの特性により、空調機用冷媒や
フッ素ポリマーなどに広く使用され、今後も半導体製造や高速通信(6G)装置など幅広い分野での利用が見込まれます。しかしながら、特定のPFASは、難分解・生体蓄積性・毒性が明らかとなり、世界保健機関(WHO)でも水道水中に500 ppt以下を目標値としており、日本では更に厳しい基準(水道水含有量50 ppt以下)が設けられるとされています。多くの産業やリサイクルなどの分野で、特定PFAS含有水のPFAS濃度を正確に把握し、分解・無害化できる技術が求められています。
今回の取り組み
NEDO先導研究プログラムに採択された、三者が提案した本研究開発(2025年度~2026年度までの2年間)は、特定PFASの分解・無害化においてボトルネックとなる課題解決を目標として、以下の技術開発を推進します。
・特定PFASの簡便なリアルタイム検出技術の開発(東北大学)
・特定PFASのF-(フッ化物イオン)への効率的な分解技術の開発(琉球大学)
・本開発技術の社会実装のための課題に関連する技術開発(クボタ)
今後の展開
本研究開発は、大量のエネルギー消費を伴う燃焼を用いることなく、特定PFASの分解を可能にします。また、分解のみならず分解後の生成物の再利用(資源循環)を見据えたサーキュラーエコノミーを強く意識したシステムを実現し得るものであり、社会実装できた際の省資源・省エネルギーのインパクトは極めて高いと言えます。

図1.NEDO先導研究プログラムの実施体制
<謝辞>
本事業の応募に向けては、「人と知と物質で未来を創るクロスオーバーアライアンス」(東北大学多元物質科学研究所が本部)および東北大学 研究推進・支援機構 リサーチ・マネジメントセンターによる支援に深く感謝申し上げます。文部科学省「物質・デバイス領域共同研究拠点」の支援による東北大学・琉球大学の共同研究が本研究開発のきっかけとなっており、手厚い御支援に厚く御礼申し上げます。
<用語説明>
注1. PFAS:有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称して「PFAS」と呼び、1万種類以上の物質があるとされています。PFASの中でも、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、幅広い用途で使用されてきました。これらの物質は、難分解性、高蓄積性、長距離移動性という性質があるため、国内で規制やリスク管理に関する取り組みが進められています。
注2. 「NEDO 先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」:脱炭素社会の実現や新産業の創出に向けて、課題の解決に資する技術シーズを発掘し、先導研究を実施することで、産業技術に発展させていくための要素技術を発掘・育成することを目的としたもの。国家プロジェクトを含む産学連携体制による共同研究等につなげていくことを目指したプログラム。 PDF版をダウンロード
琉球大学 研究