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山形大学 研究Discovery Saga
2025年6月18日

界面活性剤「塩化ベンザルコニウム」のウイルス不活化メカニズムを解明

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学数物系科学工学医歯薬学
【Sagaキーワード】
電子ジャーナル/水溶液/エタノール/界面活性剤/環境負荷/BAC/ウイルス感染症/新型コロナウイルス/ウイルス/感染症/新型コロナウイルス感染症

掲載日:2025.06.18
令和7年6月18日 花王株式会社
山形大学

概要

花王株式会社(社長・長谷部佳宏)バイオ・マテリアルサイエンス研究所が山形大学学術研究院(化学・バイオ工学分野・野々村美宗教授)と共同で行った「塩化アルキルベンザルコニウム(Alkyldimethylbenzalkonium Chloride、以下BAC)のエンベロープウイルスに対するウイルス不活化メカニズム」に関する研究成果が、Nature Researchの電子ジャーナル「Scientific Reports」に、2025年3月28日付で掲載されました*1
この成果は、世界の衛生製品におけるBACの適正使用と環境負荷の低減に貢献すると考えます。
*1Novel mechanisms of alkyldimethylbenzalkonium chloride in virucidal acivity
詳しくはこちら(リリースペーパー)をご覧ください。
主な内容
BACは、エタノールを使わずに殺菌・ウイルス不活化効果を発揮する界面活性剤で、世界中で、消毒剤など多くの衛生製品に使用されています。しかし、エンベロープウイルスに対する作用メカニズムは十分に解明されておらず、効果の有無や程度についての報告は研究機関によりまちまちという状況でした。
そこで花王の生物学と化学の研究者が連携し、エンベロープウイルスに対するBACの作用を詳細に検証しました。その結果、界面活性剤の性質が大きく変化する固有の水溶液濃度(CMC:Critical Micelle Concentration)の前後で、ウイルスへの作用が変わること、さらにCMC以上ではウイルスが完全に崩壊し、不活化効果が急激に高まることを見いだしました。CMCは、BACの使用条件により変化することから、この知見は、製品設計だけでなく、研究機関におけるウイルス不活化試験の条件設定にも不可欠な情報となります。
昨今、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により使用量が急増したことで、BACの人や環境への影響などが議論されるようになっています。花王は、サステナブル商品開発方針「Maximum with Minimum」を掲げ、暮らしや社会への負荷を最小にして最大の価値を得ることをめざしています。この成果は、世界の衛生製品におけるBACの適正使用と環境負荷の低減に貢献すると期待します。



関連リンク
花王株式会社
研究者情報|野々村美宗 教授
山形大学 工学部ホームページ
山形大学工学部化学・バイオ工学科ホームページ
野々村研究室ホームページ