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東北大学 研究Discovery Saga
2025年6月14日

三世代7人家族158組のDNAメチル化情報の公開

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
生物学工学農学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
塩基配列/持続可能/持続可能な開発/哺乳類/オミックス/環境要因/コホート調査/生理機能/胎児/分子疫学/臍帯血/マルチオミックス/DNAメチル化/メチル化/血液/DOHaD/アレルギー/ゲノム/コホート/ストレス/遺伝子/疫学/新生児/糖尿病/妊娠/妊婦
2025年6月12日 15:00

研究者情報

〇東北メディカル・メガバンク機構分子疫学分野
教授 栗山 進一
東北メディカル・メガバンク機構ウェブサイト

発表のポイント

三世代にわたる日本人家系158組の高品質なDNAメチル化1データセットを構築し、家系員ごとの平均値とばらつきをマルチオミックスデータベース(iMETHYL2)に公開しました。
本データは東北メディカル・メガバンク計画三世代コホート調査3によって得られたもので、児を中心にみた父母・祖父母の7人(ヘプタファミリー)により構成される家系1,093名の、新生児臍帯血4および成人末梢血5から取得したDNAメチル化1情報であり、約150万のCpG6部位を含みます。
本データは、ライフステージや性別、家系構造に基づくエピゲノムの参照値として利用可能であり、ヒトのエピジェネティクスな変化7を解析する上で重要なリファレンスパネルとなります。


【背景】
健康や疾患のリスクは出生前からの出生早期の環境が、その後の健康や病気のなりやすさに深く関係することが知られています。たとえば、妊娠中の母親の栄養状態や喫煙・ストレスなどが、生まれてきた子どもの将来の肥満、糖尿病、アレルギー、心疾患などのリスクに影響を及ぼす可能性があるとされています。
この考え方はDOHaD(Developmental Origins of Health and Disease)と呼ばれており、エピジェネティクスな変化7の代表であるDNAメチル化1によってその仕組みを説明しようとする研究が世界中で行われています。近年では、環境によるDNAメチル化1状態の変化が親から子、さらには孫世代にまで伝わる「経世代エピゲノム継承」の可能性も議論されています。
しかし、ヒトを対象とした経世代解析は困難であり、複数世代にわたるDNAメチル化1データと生活習慣情報を網羅的に整備したリファレンスは、これまで存在していませんでした。
そこで東北メディカル・メガバンク計画では、三世代コホート調査3に参加した妊婦の方々から出産時に収集した新生児臍帯血4、さらに妊婦さん本人と妊婦さんのパートナー(新生児の父)、新生児の祖父母の末梢血5のDNAメチル化1率を解析し、国内外の研究者が参照できるデータベースとして公開しました。




図:iMETHYLデータベース三世代7人家族データ表示画面

用語解説

*1 DNAメチル化 : DNA分子がメチル基による修飾を受ける現象。とくにDNA塩基のひとつであるシトシンで生じる現象を指すことが多い。DNAメチル化状態は環境要因によって変化することがあり、DNAメチル化状態の変化は遺伝子の働きを変化させることがある。
*2 iMETHYL : 岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構にて管理しているウェブデータベースおよびゲノムブラウザ。東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査で収集したDNAメチル化データのサマリーなどを公開している。 URL:http://imethyl.iwate-megabank.org/
*3 三世代コホート調査 : 東北大学東北メディカル・メガバンク機構が実施する、祖父母・父母・児を対象としたコホート調査。生活習慣や生理機能、生体試料を収集している。
*4 臍帯血 : 母体と胎児をつなぐ臍帯に含まれる血液。
*5 末梢血 : 血管中の通常の血液。
*6 CpG : DNAメチル化はDNA中の塩基にメチル基(-CH3)が付加されるDNA修飾のひとつである。CとGが連続して並ぶ2塩基をCpGと呼び、哺乳類のゲノム中のCpGの60-90%はメチル化されている。
*7エピジェネティックな変化 : DNAの塩基配列の変化を伴わない、遺伝子の働きの変化。DNAメチル化が代表例である。また、エピジェネティックな現象の総体をエピジェネティクスと呼ぶ。

詳細(プレスリリース本文)

問い合わせ先

東北大学東北メディカル・メガバンク機構
広報戦略室
TEL:022-717-7908
Email:tommo-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)






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