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東北大学 研究Discovery Saga
2025年6月10日

創薬に有用なリン酸化インドールの画期的合成法

~強力な新規抗がん剤の開発にはずみ~

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
化学工学総合生物農学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
アルキル化/エステル/ヘテロ原子/発光材料/持続可能/ベンゼン/持続可能な開発/生物活性/発酵/リン酸/抗菌活性/構造決定/土壌/放線菌/アミノ酸/インドール/合成化学/創薬/天然有機化合物/誘導体/抗がん剤
2025年6月10日 11:00

研究者情報

〇大学院薬学研究科 医薬製造化学分野
教授 徳山英利
分野ウェブサイト

発表のポイント

インドールは、医薬品に最も多く見られる複素環骨格(注1で、様々な誘導体の合成に応用可能な汎用性の高い手法の開発が求められていました。
創薬に有用なリン酸化インドール(注2の汎用合成法を開発しました。
強力な抗腫瘍性天然物であるデュオカルマイシンSA(注3)をもとに、より強力な新規リン酸化誘導体の創製に成功しました。

発表概要

インドールの合成法の開発は創薬研究にとって重要です。これまで世界中の合成化学者により多様なインドール合成法が開発されてきました。
リン酸エステル基を持つインドール類は抗菌活性を示す核酸誘導体など生物活性分子に含まれ、発光材料や、有機反応における触媒としても活用されています。しかし、様々な誘導体の合成に応用可能な汎用性の高い手法は少なく、新たな合成法の開発が求められていました。
今回、東北大学大学院薬学研究科の徳山英利教授、坂田樹理助教、菅野雄亮大学院生らの研究グループは、独自のリン酸化インドール類の合成法開発に成功しました。さらに、本反応を利用して、極めて強力な抗腫瘍活性天然物として知られるデュオカルマイシンSAのリン酸化誘導体の合成に成功しました。本誘導は天然物と比較して、数倍強力な抗腫瘍活性を有し、新規抗がん剤の候補化合物として期待されます。
本研究成果は2025年5月29日、米国化学会誌Organic Letterに掲載されました。今後、表紙(Front Cover)への採択が予定されています。



図1. べンゾシクロブテノンオキシム誘導体を利用したリン酸化インドールの合成

用語解説

注1. 複素環骨格:窒素や酸素、硫黄などのヘテロ原子を環内に持つ環状骨格。
注2. インドール:ピロールとベンゼン環が縮合した二つの環からなる化合物。アミノ酸や医薬品、および天然有機化合物の部分骨格に 数多く見られる。
注3. デュオカルマイシンSA:1990年に協和発酵工業(株) により京都、頂法寺六角堂の土壌サンプルより採取された放線菌から単離·構造決定された天然有機化合物。DNAのアルキル化に基づく極めて強力な抗腫瘍活性を示す。

論文情報

タイトル:Synthesis of 2-Phosphorus-Substituted Indoles via Ring Expansion of Benzocyclobutenone Oxime Sulfonates
著者: Yusuke Kanno, Yumi Yamashita, Akira Sugiyama, Tatsuhiko Kodama, Juri Sakata, Hidetoshi Tokuyama*
*責任著者:東北大学大学院薬学研究科 教授 徳山英利
掲載誌:Organic Letters
DOI:10.1021/acs.orglett.5c01778

詳細(プレスリリース本文)

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院薬学研究科
教授 徳山 英利
TEL: 022-795-6887
Email: hidetoshi.tokuyama.d4*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院薬学研究科 総務係
TEL: 022-795-6801
Email: ph-som*grp.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)










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