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筑波大学 研究Discovery Saga
2025年4月22日

結晶と気泡を含むマグマ中での地震波の伝播を数学的に予測

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学複合領域環境学数物系科学工学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
機械学習/情報学/産学連携/火山噴火/非線形/非線形波動/マグマ/地震波/持続可能/持続可能な開発/周波数
テクノロジー・材料

概要

(Image by Iggy Nyx/Shutterstock)
 マグマに含まれている気泡の割合が変化すると、その中を伝播する地震波の速度などが変化します。本研究では、マグマ中における地震波のP波の伝播を表現する方程式を数学的に導出し、気泡だけでなく、結晶の割合の増加がP波の伝播速度と波形変化に与える影響を明らかにしました。
 火山噴火の予測において、地下のマグマだまり中に含まれている結晶と気泡の割合は重要なパラメータです。しかし、直接の観測が容易ではないことから、地表で観測される地震波のP波を用いて、それらを推定する試みがなされてきました。しかしながら、これまでの研究は主に気泡の増加に着目しており、結晶の増加が与える影響を考慮したものは多くありません。また、従来の理論研究はP波の伝播速度と振幅の減衰のみに対する解析にとどまっており、具体的な波形変化などを記述できる数理モデルは確立されていません。
 本研究では、理論的な手法により、マグマ流動を表す2種類の数理モデルから、結晶と気泡を含むマグマ中のP波伝播を表現する新しい方程式を導出しました。その結果、気泡と結晶の割合が増加するとP波の伝播速度が減少すること、その度合いは結晶に比べ気泡の方が著しく大きいことを明らかにしました。一方、減衰に与える影響は、気泡よりも結晶の方が顕著であることも分かりました。また、2種類のモデルの間で、周波数や気泡の割合に対する波形の依存性に違いが見られました。
 本成果により、マグマ中に含まれる結晶や気泡の割合などのパラメータからP波の波形の時間発展を計算することが可能となりました。今後はこの方程式と機械学習を組み合わせ、P波の波形から結晶や気泡の割合を推定し、火山噴火の予知システムの構築を目指します。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学システム情報系
金川 哲也 准教授

掲載論文

【題名】
Weakly nonlinear wave propagation in magma containing crystals and bubbles
(結晶と気泡を含むマグマ中の弱非線形波動の伝播)
【掲載誌】
Physics of Fluids
【DOI】
10.1063/5.0251612

関連リンク

システム情報系