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東北大学 研究Discovery Saga
2025年4月16日

閉経が早い女性は認知機能の低下が進む可能性がある

イングランド高齢者コホートのデータ解析から

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学工学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
データ解析/持続可能/持続可能な開発/卵巣/ホルモン/性ホルモン/閉経/アルツハイマー病/うつ/コホート/加齢/看護/看護学/高齢者/睡眠/認知機能/認知症/老化
2025年4月16日 09:00

研究者情報

〇大学院医学系研究科精神看護学分野 准教授 中西三春
研究室ウェブサイト

発表のポイント

女性は男性と比べて認知症になるリスクが高いことが分かっていますが、性別や閉経(注1による女性ホルモンの欠如と認知機能の関連は不明でした。
閉経が50歳以上であった女性と比べ、閉経が40歳未満であった女性は2年間で認知機能がより低下していることを明らかにしました。
男性は閉経が50歳以上であった女性と比べて、うつ症状(注2は軽い一方で2年後の認知機能はより低下し、女性ホルモンの欠如が認知症リスクに関わることが示唆されました。

発表概要

女性は男性より認知症リスクが高いことが知られており、女性特有のリスク要因の解明が求められてきました。
東北大学大学院医学系研究科精神看護学分野の中西三春准教授および公益財団法人東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターの西田淳志センター長らの研究グループは、イングランド高齢者コホート研究ELSAのデータを基に、閉経の年齢と認知機能との関連を調査しました。男性4,286人、女性4,726人を対象として、性別と閉経の年齢区分によって2年間の認知機能の変化に違いがあるかを検証しました。解析においては、うつ症状や他の認知症のリスク要因の影響を調整しました。解析の結果、閉経が50歳以上であった女性と比べ、閉経が40歳未満であった女性は2年間で認知機能がより低下していました。男性は閉経が50歳以上であった女性よりも、うつ症状が軽い一方で2年後の認知機能はより低下していました。本研究は、女性における認知症のリスク要因として、閉経による女性ホルモン減少や欠乏の影響を示唆する貴重な報告です。今後は、有効な対応策を確立するために、女性ホルモンが認知機能の老化にどのように影響するのかが解明される必要があります。
本研究結果は、2025年4月15日(火)午後8時(日本時間)に認知症とアルツハイマー病に関する専門誌、Alzheimer's & Dementia: The Journal of the Alzheimer's Associationにオンライン掲載されました。

図1 . 性別と閉経の年齢区分別にみた、認知機能の検査時の年齢と指標の推移

用語解説

注1. 閉経:月経が完全に停止した状態。加齢により卵巣からの女性ホルモンの分泌が停止することで起こる。1年以上月経がない場合に「閉経」と判断される。
注2. うつ症状:気分が落ち込み、活動に対する興味や喜びが減少したりする症状。しばしば食欲や睡眠の障害などを伴う。

論文情報

タイトル:Associations between age at menopause, depressive symptoms, and cognitive function
著者:中西三春*、山崎修道、Daniel Stanyon、宮下光弘、中島民恵子、宮本有紀、小川朝生、安藤俊太郎、西田淳志
*責任著者:東北大学大学院 医学系研究科 精神看護学分野 准教授 中西 三春
掲載誌:Alzheimer's & Dementia
DOI:10.1002/alz.70063

詳細(プレスリリース本文)

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科精神看護学分野
准教授 中西三春(なかにし みはる)
TEL: 022-717-8179
Email: nakanishi-mh*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(報道に関すること)
東北大学大学院医学系研究科・医学部広報室
TEL: 022-717-8032
Email: press.med*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)


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