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埼玉大学 研究Discovery Saga
2025年4月15日

本学ソーシャルインパクト事業の一環としてウクライナ・ザポリージャ市教師の心理支援プロジェクトが発足(教育機構 趙 丹寧准教授)

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
複合領域医歯薬学
【Sagaキーワード】
多文化/不安障害/うつ/メンタルヘルス/抑うつ

概要

戦時下にあるウクライナ教員と学生向けの心理支援として、本学教員がザポリージャ市議会教育従事者能力開発センター主催の“Restoration of psychological health(心理的健康の回復)”プロジェクトを担当し、3月25日に第1回グループ学習を実施しました。

本プロジェクトは1年間(月1回)継続予定であり、趙 丹寧(Danning Zhao)准教授(教育機構)、Olha Nikolenko教授、Kateryna Nikolenko講師(ウクライナPoltava V.G. Korolenko National Pedagogical University)が共同で担当します。また、本学の野中 進理事(教学・学生担当)・副学長、堀田 香織名誉教授、岡本 清秋相談役(NPO法人生活発見会)、松浦 隆信教授(日本大学)が後援します。このプロジェクトは、本学「大学の国際化によるソーシャルインパクト創出支援事業」の一環であり、5月に設立予定の多文化共修センターにおける今後の取り組みのひとつでもあります。なお、メンタルヘルス岡本記念財団の助成も受けています。

2022年2月にロシアがウクライナ侵攻を開始して以来、戦争は3年以上続いてきました。こうした厳しい状況のなか、ウクライナの教師たちは過酷な日程のもとで教育活動を続けています。プロジェクトチームが昨年10月に実施したウクライナ全土教師を対象とした第2回調査では、回答者667名のうち57%に抑うつ障害と不安障害の疑いが見られ、一年前の調査結果と比べて4ポイント増えました。ウクライナ教師の精神健康がさらに深刻な状況にあることが明らかになっています。とりわけ、激戦地であるザポリージャでは教育現場の被害が極めて大きいといえます。

本グループ学習には60名の教師がオンラインで参加し、第1回では”Morita therapy and its possibilities during the war”(森田療法の戦時中の応用可能性)をテーマに講義が行われました。開会にあたり、ザポリージャ市教育従事者能力開発センター長のOlena Tishchenko Olena氏と、本学の野中進理事(教学・学生担当)・副学長が挨拶し、ウクライナの教師たちへ温かい励ましのメッセージを送りました。進行は心理学者のLyubov Kremenetska氏が務めました。講義後には、教育現場の困難や解決策について、参加者による熱烈な討論がなされ、会全体が温かく支え合う雰囲気に包まれました。今後もこのグループ学習を継続して実施していく予定です。

ウクライナ・ポルタワ教育大学ウェブサイト
趙 丹寧|埼玉大学研究者総覧
野中 進|埼玉大学研究者総覧