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筑波大学 研究Discovery Saga
2025年4月15日

認知機能が低下した高齢運転者は同乗者がいると事故を起こしにくい

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学工学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
因果関係/持続可能/交通事故/持続可能な開発/高齢者/認知機能/認知症
医療・健康
(Image by KPG-Payless/Shutterstock)

概要

2014年から2020年までに全国で発生した交通事故のデータをもとに、高齢運転者の事故を起こすリスクが同乗者の有無によって異なるかを検討しました。その結果、認知機能が低下した運転者においても、同乗者がいると事故を起こしにくい可能性があることが分かりました。
 高齢運転者による交通事故を防ぐため、運転免許更新時の高齢者講習や認知機能検査が長年行われ、近年では先進安全技術が搭載された安全運転サポート車の普及が図られています。本研究では、高齢運転者について、同乗者がいると事故を起こすリスクが低いという海外での知見や、同乗者を要する条件付き免許を採用している国があることに注目し、認知機能が低下した運転者においても、同乗者がいると事故を起こすリスクは低いという仮説をたて、これを検証しました。
 2014年から2017年までに認知機能検査を受検し運転免許を更新した75歳以上の免許保有者のうち、免許更新後3年間に車両相互事故に遭った運転者を第1当事者(過失の重い方)と無過失の第2当事者に分けて、事故時の同乗者の有無を、認知機能検査の結果ごと(認知症の恐れがある人、認知機能低下の恐れがある人、いずれの恐れもない人の3群)に男女別で比較しました。
 分析の結果、認知機能の程度にかかわらず、男女とも、第1当事者より第2当事者の方が同乗者を伴っているケースが多いことが分かりました。一方、二者間で事故の発生に寄与しうる要因(年齢、過去の事故経験、事故時の時間帯・天候・場所)に大きな違いは見られませんでした。
 この結果は、認知機能検査で認知症や認知機能低下の恐れがあると判定された高齢運転者でも、同乗者がいれば、車両相互事故で第1当事者になりにくい可能性を示唆しています。因果関係を示すものではありませんが、高齢運転者の安全運転に同乗者が重要な役割を果たしているのかもしれません。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学医学医療系
市川 政雄 教授

東京大学大学院医学系研究科
稲田 晴彦 准教授

交通事故総合分析センター研究部研究第一課
小菅 英恵 主任研究員

掲載論文

【題名】
Association between the presence of passengers and at-fault crash risk among older drivers with and without cognitive decline
(認知機能が低下した高齢運転者の事故リスクと同乗者の関連)
【掲載誌】
Journal of Safety Research
【DOI】
10.1016/j.jsr.2025.04.002

関連リンク

医学医療系