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九州大学 研究Discovery Saga
2025年4月12日

台湾からデニソワ人

—台湾最古の人類化石はデニソワ人男性の下顎骨だった— 比較社会文化研究院 澤藤 りかい 講師

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
複合領域生物学工学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
デルタ/形態学/ネアンデルタール人/人類進化/持続可能/持続可能な開発/ゲノム
2025.04.11 研究成果Humanities & Social SciencesLife & Health

発表のポイント

台湾の澎湖 (ほうこ) 水道の海底から発見されていた原始的な人類 (澎湖人) の下顎骨化石 (澎湖1号: 19–1万年前) は、発表当時、その形態的独自性と原始性から「アジアで発見された第4の原人」とされました (注1) (図1)。
本研究は、デニソワ人がアジア南東部にも分布していたことを化石の物的証拠から直接的に示しました。
本研究は、同時代に地球上に生息したネアンデルタール人や私たちホモ・サピエンスと比べて、デニソワ人の顎と歯がだいぶ頑丈でごついことも明らかにしました。

発表概要

総合研究大学院大学の蔦谷匠助教と澤藤りかい特別研究員 (現 九州大学講師)、東京大学の海部陽介教授と太田博樹教授、台湾の國立自然科學博物館の張鈞翔センター長、コペンハーゲン大学のフリード・ウェルカー准教授とエンリコ・カッペリーニ准教授など、日本、台湾、デンマークの国際共同研究チームは、台湾最古の人類化石の古代タンパク質配列を調べ、これが旧人の「デニソワ人」男性に由来することを明らかにし、Science誌に報告しました。
台湾の澎湖 (ほうこ) 水道の海底から発見されていた原始的な人類 (澎湖人) の下顎骨化石 (澎湖1号: 19–1万年前) は、発表当時、その形態的独自性と原始性から「アジアで発見された第4の原人」とされました (注1) (図1)。その形態学的評価は変わりませんが、今回の分析で、人類進化史におけるその位置づけが変わりました。
アジア東部、特に南東部の現代人のゲノムにはデニソワ人由来の要素があり、当地で両者が交雑したと推測されていました。しかし、デニソワ人の化石はこれまでアジア北部でしかみつかっていませんでした。本研究は、デニソワ人がアジア南東部にも分布していたことを化石の物的証拠から直接的に示しました。
本研究は、同時代に地球上に生息したネアンデルタール人や私たちホモ・サピエンスと比べて、デニソワ人の顎と歯がだいぶ頑丈でごついことも明らかにしました。これらの成果によって、謎に包まれていたデニソワ人の姿や分布がより明確になりました。

図1. 澎湖1号の下顎骨を左側面から写した写真。(撮影:東京大学・海部氏)
注釈
1. 台湾沖海底から発見された新しい原人の化石について|国立科学博物館https://www.kahaku.go.jp/procedure/press/pdf/32711.pdf

論文情報

論文タイトル:A male Denisovan mandible from Pleistocene Taiwan
掲載誌:Science
掲載日:2025年4月11日(金)
DOI:10.1126/science.ads3888
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問い合わせ先

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