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京都大学 研究Discovery Saga
2025年4月7日

テンソルネットワークによる生成モデル

―株式騰落パターンから相関構造が発現―

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学数物系科学化学工学
【Sagaキーワード】
生成モデル/ニューラルネットワーク/ベイジアンネットワーク/機械学習/最適化/情報学/人工知能(AI)/テンソルネットワーク/量子情報/波動関数/ニューラルネット/ネットワーク構造/構造最適化
この研究の主な対象者
企業・研究者の方
公開日

概要

原田健自 情報学研究科助教、大久保毅 東京大学特任准教授、川島直輝 同教授は、テンソルネットワーク(TN)をベースとした生成モデルの新しい構築法を提案し、その有効性を示しました。生成モデルはほとんどの場合ニューラルネットワークがベースとして使われており、ネットワーク構造の最適化についてはまだあまり研究が進んでいません。本研究では、ツリー型TNとして表現された波動関数と確率分布の対応関係を利用したボルンマシンを考え、これに対してネットワーク構造最適化を行う生成モデル構成方法(適応的テンソルツリー:ATT)を提案し、その有効性を実証しました。具体例として、株式の騰落パターンのデータからATTによって生成モデルを構築すると、学習が進むにつれて株式銘柄間の相関関係が自然とネットワーク構造に反映されていく様子が観察されました。ATTによってどのようなサンプルに対しても生成モデルを構築することができるため、従来は捕捉しにくかったさまざまな相関構造の解明や新しいAI構築のための枠組みとしても役立つものと期待できます。
 本研究成果は、2025年4月1日に、国際学術誌「Machine Learning: Science and Technology」にオンライン掲載されました。
適応的テンソルツリー(ATT)をベースにしたボルンマシンがS&P500の約10年分の騰落パターンを学習することで生成したツリー構造。各点は企業を表し、色は業種(セクター)ごとに変えてある。業種情報はATTに与えていないが、おおよそ業種ごとに近い関係にあることを「発見」していることがわかる。
研究者のコメント 「テンソルネットワーク構造として、株価の騰落データやベイジアンネットワークなどさまざまなデータ内の関係構造が発現するとわかった時は、単純な原理を用いてできることに驚きました。」(原田健自)
「テンソルネットワークを使うことで量子情報科学の知見を機械学習にも活用できることが示せて、とても嬉しいです。」(大久保毅)
「物性論と最適化の関わりは学生のときのテーマだったので、そこに戻ってこられて嬉しいです。」(川島直輝)

詳しい研究内容について

テンソルネットワークによる生成モデル―株式騰落パターンから相関構造が発現―

研究者情報

研究者名 原田 健自
京都大学 教育研究活動データベース

書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1088/2632-2153/adc2c7

【書誌情報】
Kenji Harada, Tsuyoshi Okubo, Naoki Kawashima (2025). Tensor tree learns hidden relational structures in data to construct generative models.Machine Learning: Science and Technology, 6, 2, 025002.

関連部局

情報学研究科