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東北大学 研究Discovery Saga
2025年3月26日

最古の多細胞動物の最適化されたポンプ機能を解明 6億年にわたり生存し続けるカイメンの適応戦略に迫る

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学数物系科学生物学工学総合生物医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
最適化/数値シミュレーション/進化生物学/持続可能/持続可能な開発/シミュレーション/マイクロ/マイクロポンプ/高効率化/流体力/流体力学/医工学/発生生物学
2025年3月25日 16:00

研究者情報

〇大学院医工学研究科
教授 石川拓司
研究室ウェブサイト

発表のポイント

  • 現在の地球に生息する最古の多細胞動物のグループであるとされているカイメンは、大量の水を吸い込み、ろ過することで必要な栄養を摂取しています。そのためのポンプ機能を担う襟細胞室という構造は球形ですが、なぜその形状なのかはよくわかっていませんでした。
  • カイメンの襟細胞室が作り出す流れの数値シミュレーションに初めて成功し、ポンプ機能が最適化される襟細胞室の特徴が実際のカイメンとよく一致することを明らかにしました。
  • 太古からカイメンに採用されてきた球形ポンプが高効率であることを明らかにし、カイメンの進化を流体力学的な観点から説明するとともに、マイクロポンプの高効率化にも貢献すると期待される成果です。
  • 発表概要

    カイメン(海綿動物)は現存する最古の多細胞動物とされており、進化生物学や発生生物学の分野で注目されています。カイメンは固着性の水生生物で、栄養を得るために大量の水を吸い込み、濾過しています。カイメンが数億年生き抜いてこれたのは、水を吸い込み濾過するためのポンプ・フィルタ機能が非常に優れていたからかもしれません。このポンプ機能を担っているのが襟細胞室と呼ばれる球形の構造です。しかし、なぜ球形のポンプに進化してきたのかはよくわかっていませんでした。
    東北大学、イギリス、フランスの共同研究チームは、襟細胞室の詳細なモデルによる襟細胞室内の流れのシミュレーションと生きたカイメンを用いた観察実験を行うことで、襟細胞室の球という形状がポンプ機能を最適化していることを明らかにしました。
    本成果は、3月22日に学術誌Proceedings of the National Academy of Scienceに掲載されました。

    図1. カイメンと襟細胞室(ポンプ)の断面イメージ図

    論文情報

    タイトル:The Architecture of Sponge Choanocyte Chambers is Well Adapted to Mechanical Pumping Functions
    著者:*Takumi Ogawa, Shuji Koyama, Toshihiro Omori, Kenji Kikuchi, Hélène de Maleprade, Raymond E. Goldstein, Takuji Ishikawa
    *責任著者:東北大学大学院工学研究科 大学院生 小川拓海
    掲載誌:Proceedings of the National Academy of Sciences
    DOI:10.1073/pnas.2421296122

    詳細(プレスリリース本文)

    問い合わせ先

    (研究に関すること)
    東北大学大学院医工学研究科
    教授 石川拓司
    TEL: 022-795-4009
    Email: t.ishikawa*tohoku.ac.jp
    (*を@に置き換えてください)
    (報道に関すること)
    東北大学大学院医工学研究科
    TEL: 022-795-7491
    Email: bme-pr*grp.tohoku.ac.jp
    (*を@に置き換えてください)


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