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東北大学 研究Discovery Saga
2025年3月6日

陸上植物の共通祖先で獲得された幹細胞形成メカニズム コケ植物の原始的分裂組織からわかった植物幹細胞の進化

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
数物系科学生物学工学総合生物農学医歯薬学
【持続可能な開発目標(SDGs)】
【Sagaキーワード】
ESR/snRNA/コケ植物/持続可能/持続可能な開発/1細胞/カルス/茎頂分裂組織/分裂組織/植物ホルモン/ホルモン/1細胞解析/サイトカイニン/幹細胞/転写因子/遺伝子
2025年3月 6日 11:00 |プレスリリース・研究成果

研究者情報

〇生命科学研究科 教授 経塚淳子
研究室ウェブサイト
生命科学研究科 助教 秦有輝
研究室ウェブサイト

発表のポイント

  • ただ一つの幹細胞を含む原始的分裂組織をもつコケ植物に1細胞解析技術を適用し、幹細胞だけで働く遺伝子を網羅的に明らかにしました。
  • 幹細胞になる細胞では特異的にサイトカイニン(注1)が合成され、その結果として転写因子ESR(注2)が働くことによって幹細胞が形成されることがわかりました。
  • この経路は、陸上植物の共通祖先で生まれた幹細胞を作る仕組みであることがわかりました。
  • 発表概要

    幹細胞は多細胞生物の成長の要となる細胞であり、動植物を問わず盛んに研究されています。植物の幹細胞は分裂組織に存在し、葉や茎を作るもとになります。しかし、植物の幹細胞がどのように進化したのかは不明でした。
    東北大学大学院生命科学研究科の秦有輝助教、経塚淳子教授らは、原始的な分裂組織をもつコケ植物の幹細胞で発現する遺伝子を網羅的に解析しました。その結果、植物ホルモンであるサイトカイニンが転写因子ESRを誘導することで細胞が幹細胞となることを初めて明らかにしました。この幹細胞形成メカニズムは陸上植物の共通祖先で進化し、現在まで保存されてきた仕組みであると考えられます。本研究成果は様々な植物に適用可能な幹細胞誘導法や幹細胞の調節を介した有用形質の改良などにつながると期待されます。
    本研究の成果は、2025年3月5日にDevelopmental Cell誌に掲載されました。

    陸上植物の幹細胞形成メカニズムの進化

    用語解説

    注1. サイトカイニン
    植物ホルモンの一つ。細胞の増殖を促進し、茎と葉の形成を促進するほか、植物の成長において様々な機能をもつ。
    注2. 転写因子ESR
    AP2/ERFファミリーに属するタンパク質であり、カルスからの茎頂分裂組織の形成を促進する。

    論文情報

    タイトル:snRNA-seq analysis of the moss Physcomitrium patens identifies a conserved cytokinin-ESR module promoting pluripotent stem cell identity
    著者: Yuki Hata, Nicola Hetherington, Kai Battenberg, Atsuko Hirota, Aki Minoda, Makoto Hayashi, and Junko Kyozuka*
    *責任著者:東北大学大学院生命科学研究科 教授 経塚淳子
    掲載誌:Developmental Cell
    DOI:10.1016/j.devcel.2025.02.006

    詳細(プレスリリース本文)

    問い合わせ先

    (研究に関すること)
    東北大学大学院生命科学研究科
    助教 秦有輝
    TEL: 022-217-5710
    Email: yuki.hata.a8*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
    (報道に関すること)
    東北大学大学院生命科学研究科広報室
    高橋さやか
    TEL: 022-217-6193
    Email: lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)


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