07J10934 (KAKENデータベースで見る)【研究キーワード】
・GIS(地理情報ステム)を用いた空間解析と将来シミュレーションによって、今後の越境水域における水資源適応策のための科学的枠組みを提示した。
具体的には、気候変動シナリオや流域国家間の協力体制の違いによる水資源への影響を「定量的」に比較することで、越境河川流域の水資源管理策における「集水域」アプローチと「国境・行政界」アプローチの、各々の有効性を分析した。これは集水域などの自然的境界線と行政界などの人為的境界線の比較、また同じ自然的境界を利用する場合でも、流域全体を用いる場合とその支流域を用いる場合とではどちらが適切なのか?といった具合に、様々な空間規模における各アプローチの評価結果をもとに、最適なアプローチ手法を検討した。これにより、政策策定に利用する最適な境界線(boundary)の種類について、当該問題に携わる政策関係者と議論を重ねることで、科学的理想境界線を踏まえつつも現実的かつ良好な境界線を提案することを目的とする。
・本研究の3年間の総括として、2010年2月に、International workshop on"Climate Change Response for Asia International Rivers : Opportunities and Challenges"を開催した(主催・国例連合大学)。本ワークショップでは、メコン川流域5カ国、および流域開発および研究に関わる約20名の専門家を招聘し、本研究成果に関するフィードバックを得るとともに、今後のメコン川流域のWater Security政策に関する研究課題を議論し、今後も各国専門家と連携しながら、本研究課題を発展させることを確認した。
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